園庭改修工事中・・・
毎日暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
幼稚園は夏休み期間となり1号認定預かり保育と、2号認定保育クラスの保育を行っています。
また7月1日(木)より、園庭の大規模改修工事を行っております。
この園庭改修を行うにあたり、職員間での園内研修や会議などを通して、
「園の子どもの今の興味関心は何か」
「どのような体の動きが経験できる環境が今、園内にあるか」
「どのような子どもの育ちを園庭環境で願うか」
「安全の観点ではどのようなことに気を付けていく必要があるか」
などを、話し合い、その考え方を業者の方と調整をしながら、園庭改修案を考えてきました。
私たちのアイデアを、具体的な構想案を仕上げてくださり、大変素敵な園庭改修計画を立ててくださいました。
現在、工事中ですが、一部をお見せできればと思います!
まだまだ工事途中ではありますが、木のぬくもりや、子どもにとって様々なチャレンジングな環境があり、
私たち職員も大変楽しみにしております。
当園では、園庭環境で大切なことを次のように考えています。
①五感を感じて活動できること(身の回りの美しさ、聞こえてくる音を感じる)
②可塑性がある遊びがあること(形が変わることを楽しむ)
③チャレンジしようとする環境があること(様々な難易度・関心を持つ課題)
④仲間と協力する環境・仕掛けがあること(井戸水をいっしょに運ぶなど)
⑤科学する心のスタートが生まれること(なぜ?どうして?の気持ちを)
⑥継続して深化できる環境があること(昨日掘った穴の続きを今日も掘り、遊びを深化させる) 深化:物事の程度が深まる
⑦多様な動詞が生まれること(投げる・つかむ・滑る・・・)
このように、園庭環境は、子どもの体力面だけではなく、子ども同士の協同的な育ちや、創造性の育ちにもつながる大変重要な環境となります。
また、ゲイバー・タリ―という方が次のように述べています。
「もちろん、子どもたちを危険から守ることは必要です。(中略)しかし、それが過保護になってしまっては、子どもたちの危険に対する判断力が養われず、社会の責任が果たせません。私たちがするべきなのは、未知のもの(またはよくわからないもの)と、本当に危険なものとの区別をつけられるよう、子どもたちに学ばせることです。」(引用元:ゲイバー・タリー 著/金井 哲夫 訳(2011),『子どもが体験するべき50の危険なこと』,オライリー・ジャパン.)
現在、危険なことはできる限り避けなくてはいけない、なくさなくてはいけないという動きもあります。
しかし、すべての危険を排除することは難しいと考えます。
また、子どもたちが、様々なけがをはじめとする安全に関する危険性を知らないまま(例:高いところが怖いと思う経験がないなど)育つことで、大きなけがや命にかかわるけがにつながってしまうと考えます。
当園では
「小さなけがを通して大きなけがを防ぐ」
「身の回りの危険につながる可能性を知る」
ことを、保育の中で経験してほしいと願い、園庭遊びでの経験や、危機管理の観点で避難訓練を様々なバリエーションを想定して行っています。
新たな園庭・遊具において、子どもたちが様々な新たな遊びを生み出すことや、新たに感じることが増えることが楽しみです。一方で、私たちは、新たに発生するリスクについても目を向けていきたいと考えます。
園庭・遊具改修が終了した段階で、まずは職員で実際に園庭・遊具を使用し、それぞれが感じる「子どもの遊びの可能性」、「子どもの育ちの可能性」、そして「子どもが遭遇する可能性のある危険」などを収集し、子どもの育ちへの意識と、安全への意識と両方を持ちながら、新たな園庭・遊具で子どもたちのさらなる主体的な活動を援助できればと思います。
ぜひ2学期以降、子どもたちのさらなる遊びの発展や深化があることを楽しみにしています。